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ひたすら植え替え

植物も活動をし始めて春が近づいてきました。

先週の仕事は防草シート、砂利敷きや植栽など。

今日は盆栽の年間の作業の中でも大切な植え替え作業について。

まずなぜ植え替えが必要かというと、盆栽は地面に根を張って生きている樹木と違い、鉢という限られたスペースの中で生きているため、

人間の手助けがないと生きていけません。

植え替えずにほかっておくと根が鉢いっぱいに詰まってしまい、また用土が崩れて土がカチカチになってしまい水の通りや通気性が悪くなります。

こうなってしまうといくら水をやっても肥料をやっても受け付けなくなってしまい、枝枯れや葉焼け根腐れをおこし樹が弱り、最終的には水切れにより枯死することもあります。

こうならないように古い根を切って新しい細根を出させ、用土を新しくして根の活動できる環境をつくってあげるのが植え替えという作業です。

もう一つの目的はこの時が樹に合った鉢に入れ替えるチャンスだからです。

仕立鉢(養生を目的にした素焼鉢)から観賞用の鉢に入れ替えたり、弱っている樹を大きめの仕立鉢に入れ替えて元気にさせます。

また鉢合わせとともに重要なのが改作する場合など植え付け角度や位置の検討です。

植え替えのサイクルは樹種により違いますが、松柏類の若木で3~4年古い木で5~6年、雑木は根のまわりが早いので若木で毎年、古い木で2年に1回ぐらいは行いたいです。

時期も樹種により違いますが、一般的に春の新芽が動き始める直前ぐらいがいいです。この時期は根が活動を始めようとしている時で古い土を落として根を切ってもダメージが少ないです。

実際の作業です。

  用土の準備

用土は非常に重要で、ポイントは通気性と排水性と保水性です。

基本用土は赤玉土に桐生砂を配合した用土になります。

特に大事なのは赤玉土は品質のよい硬質赤玉土を使ってほしいです。品質の悪い安価な赤玉土だとすぐにつぶれてべちゃべちゃになり団粒構造が崩れてしまいます。

硬質赤玉土は粒が固くつぶれにくく通気性、排水性、保水性に優れています。桐生砂もこれらに優れています。

自分はこれに富士砂も配合します。

赤玉土 小粒3、赤玉土 極小 1 、桐生砂 小粒 1 、富士砂 小粒0.5  これが雑木用の配合

雑木用4に朝明砂1を配合したのが松柏用

自分はこんな感じですが、人それぞれだと思います。大事なのはその人の水やり頻度、どのくらいの水やりができるかに合わせて配合することです。

一日中水やりできる人は砂多めにして水はけよくしたり、仕事で日中なかなか思うように水やりできない場合は保水性を気にしたり。

土はふるいにかけて細かい微塵を取り除きます。

  配合した用土

  作業前

  

鉢から抜いて根をさばきます。古い土を崩して絡んだ根をほぐしながら、根を切っていきます。底根はなるべく追い込みます。

 

新しい鉢に固定用の針金をセットして、ごろ土を薄く底に敷き用土を真ん中を盛り気味に入れます。

樹を入れる時に大事な樹皮を剝がさないように持つところに注意して、鉢に収めます。この時に正面をどこにするか角度、位置を十分に確認してから根と用土が密着するように樹をゆすりながら押し付けます。

針金を締めて樹を固定したら用土を入れて竹ばしなどでよく突いて土を隙間なく行き渡らせます。

刻んだ水苔を鉢土の上に薄く載せて、鉢底の穴から茶色い土が出なくなるまでたっぷり水をかけます。

自分は最後に発根促進剤のオキシベロンを薄めてかけます。

  完了

とにかく初めて自分のところに来た盆栽はカチカチになった土やべちゃべちゃな土やわけのわからない土に入っていることがあります。

これを自分のところの用土に入れ替えてあげるところからスタートします。

植え替えした盆栽に水をやると、水がすうーっと土から抜けて気持ちがいいです。水やりも新鮮な気持ちになりこれからが楽しみです。

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